商品名やサービス名、企業名、地名など、固有名詞を書くときは”正しい表記”を意識することが重要です。
企業のメディアで執筆する場合、読者からすれば誰が執筆したのかはわかりません。万が一、表記に間違いがあれば、当然ながら企業に直接クレームが入ります。
真剣に調べている読者(顧客)からしたら、些細な間違いでも「信用できないな…」と感じてしまうことがあるでしょう。企業の信用を一瞬で失いかねません。
思い込みで判断せず、正しい表記を確認する習慣をつけましょう。
正しい表記とよくある間違い
商品名/サービス名、会社名に分けて、正しい表記とよくある間違いをまとめました。
今まで間違えて使っていなかったか確認してみましょう。
1:商品名/サービス名
OK | NG |
---|---|
Zoom | zoom |
TikTok | Tiktok tiktok |
YouTube | Youtube You Tube |
Voicy | voicy |
Slack | slack |
Chatwork | chatwork |
Amazon | amazon |
Kindle | kindle |
WordPress | Word press |
Yahoo! JAPAN | Yahoo!JAPAN |
Google AdSense | Google Adsense |
Cookpad | cookpad |
iPad | ipad |
ChatGPT | chatGPT |
2:会社名
OK | NG |
---|---|
キユーピー | キューピー |
富士フイルム | 富士フィルム |
シヤチハタ | シャチハタ |
ドン・キホーテ | ドンキホーテ |
日本トイザらス | 日本トイザラス |
日本コロムビア | 日本コロンビア |
セブン-イレブン・ジャパン | セブンイレブン・ジャパン |
ジェーシービー | JCB |
日本電気 | NEC |
ビックカメラ | ビッグカメラ |
ブリヂストン | ブリジストン |
サイゼリヤ | サイゼリア |
ブルドックソース | ブルドッグソース |
イトーヨーカ堂 | イトーヨーカドー |
なかにはイトーヨーカ堂のように、会社名で書くなら「株式会社イトーヨーカ堂」ですが、お店の名前なら「イトーヨーカドー」というケースもあります。
場面によって正しい表記を使い分けられるようにしましょう。
正しい表記は公式サイトでチェック
上位表示されている記事が必ず正しいとは限りません。堂々と間違った表記で書かれている記事も見かけます。
商品名やサービス名、会社名などは、公式サイトを確認しましょう。
私が仕事で校閲を担当する際は、公式サイトでの確認がルール化されています。
1:ロゴで勘違いしやすい例
ロゴのイメージが強く、そのまま勘違いするケースです。
正しい表記は「Zoom」「Facebook」「Slack」「LinkedIn」。
特に「ZOOM」と書かれている記事はよく見かけますね。単純に勘違いして間違えているのか、それでOKにしているのかはわかりませんが……。
公式サイトを見れば正しい表記で記載されていることがほとんどなので、商品名やサービス名を書くときは必ず確認しましょう。
その際、1か所ではなく、複数の場所で表記を確認することをおすすめします。時々、公式サイト内で表記ゆれが生じているケースがあるからです。
以下のように、ページによって表記が異なる場合があります。
- Webライター養成講座
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ちょっと雑なケースだと、LPと公式サイト内の商品名が違うこともあるほどです。
広告主やクライアントが誘導先として指定しているページがどこなのかによっても判断が異なるため、正しい表記は常に意識しましょう。
2:発音と表記が異なる例
会社名は、公式サイトの「会社情報(企業情報)」「会社概要」などを見ることがポイントです。
公式サイト内では略称で書かれているケースもあるため、設立日や住所などが記載された会社情報が1番信用できます。
例えば以下は、マヨネーズでお馴染みの「キユーピー」の事例です。公式サイトに記載されている商品名はもちろん、会社概要にも「キユーピー」と書かれています。
商品名を発音する場合は「キューピー」です。多分、日本人のほとんどが正式名称を知らないでしょう。
ほかにも、情熱価格でお馴染みの「ドンキ」も、正しくは「ドン・キホーテ」です。
日常的に話す言葉や目にする言葉で覚えてしまえば、真ん中に「・」が入るのを知らない人が多くて仕方ないですよね。
こういった思い込みで間違えるケースもよくあるので、自分を疑いながら「本当に正しいのか?」という気持ちをもつことが大切です。
3:海外の商品/人名で悩む例
ブランド品に関する記事の編集をするときに、海外の商品や人名にかなり苦戦したことがあります。
例えば、ロレックスの「GMTマスター Ⅱ」は、「GMTマスター」と「Ⅱ」の間に半角スペースが入るのが公式サイトの表記です。
しかし、KWとして狙うには半角スペースを入れるか微妙なところ。実際にほかのメディアでは、半角スペースを入れていないところも多くあります。
校閲時はこういった細かい部分までチェックしており、今でも時々悩む部分です。
また、海外の人名の場合、英語表記の読み方によってカタカナ表記が異なるのが難しい部分です。
例えばロレックスの創業者は、公式サイトでは「ハンス・ウイルスドルフ」とされています。しかし、ほかのメディアやWikipediaでは「ハンス・ウィルスドルフ」です。(イとィの違い)
こういったケースでは公式サイトの「イ」に合わせることが多いですが、執筆したライターさんが上位記事を参考にしていると「ィ」になっている場合も多々あります。
正直、これらの事例は、どちらを使っても大きなトラブルが起こるようなものではないかもしれません。
しかし、表記ゆれにならないように記事内で統一することが大切です。もしくは、同じメディア内で表記を統一するようにルール化しなければならないケースもあります。
なかにはあまり気にしないクライアントもいますが、表記ゆれは自分の評価を落とす原因の1つなので気をつけましょう。
正しい表記をコピーするのはOK
どんなに正しい表記がわかっても、スペルを間違えたら意味がありません。
商品名やサービス名、企業名、地名など、間違えてはいけない固有名詞は公式サイトでコピーしてOKです。
むしろ、間違えないように最初はコピーして入力することをおすすめします。
よく使う言葉は「単語登録」をしておくのもよいでしょう。間違えないための工夫をしておくと安心です。
私は以前、ブログを読んでくれた方から突然メッセージが届き、サービス名のスペルの間違いを指摘されたことがあります。
「スペル間違えるとかヤバいだろ!記事書くな!」といった勢いで、結構乱暴な言葉が届きました。
もしこれが、Webライターとして執筆した企業のメディアだったら?
間違えた部分や、それに対する企業の対応をSNSで晒されて、拡散されてしまったら?
不特定多数の人に見られる記事として執筆するのであれば、正しい表記は最低限のマナーです。会社でメールなどを送るときに気をつけるのと一緒ですね。
いざというときに間違えないためにも、普段から”正しい表記”を意識して執筆しましょう。