PREP(プレップ)法は、Webライティングでよく使われるテクニックです。
- Point:結論
- Reason:理由
- Example:具体例
- Point:結論
結論から先に伝えて書くことで、読者に要点が伝わりやすくなります。
わかりやすく、説得力のある文章を作れるのがPREP法の特徴です。
PREP法を用いるメリット
PREP法にはさまざまなメリットがあります。ここでは、Webライターに関係するメリットをまとめました。
1:読者が理解しやすくなる
最初に「結論」から伝えることで、読者が頭の中で情報を整理しやすくなります。
文章の説得力が上がり、読者に意見が伝わりやすくなるのがメリットです。
例
(結論)収入面での不満があり、副業を始めたいと考えている方にWebライターはおすすめです。
(理由)自分で仕事量を調整できるため、本業とのバランスを考えて無理なく両立できます。努力すれば、3か月で月3~5万円ほど稼げるようになるでしょう。
(具体例)月5万円稼げれば、1年間で60万円の収入です。副業でそれ以上稼ぐ方も多くいます。
(結論)本業で昇進するよりも、Webライターで収入を得るほうが簡単です。収入面での悩みがある方に最適な副業だといえます。
2:簡潔に結論を伝えられる
PREP法を用いることで、主張したいことを明確に伝えられます。
読者が理解しやすいだけでなく、伝える側も情報を整理して伝えられるのがメリットです。
Webライティング初心者に多いミスは、結局何が言いたいのかわからない文章になること。
正しい文章を書けても、見出しからどんどん話がズレてしまうケースは少なくありません。
以下のNG例は「会社員の副業にはWebライターがおすすめ」という見出しについて書かれています。
Web上に掲載する文章として、どこを直せばよいかわかりますか?PREP法を意識しながら考えてみましょう。
NG例
H2:会社員の副業にはWebライターがおすすめ
本業の収入に不満を感じている人は少なくありません。生活費などを差し引くと、手もとに残るお金は少なくなってしまいます。
そんな悩みがある人に、Webライターはおすすめです。収入面での悩みがあるなら、Webライターを始めてみましょう。
この文章を読んで「え?普通によくある文章じゃん?」「何がおかしいのかよくわからない……」と感じた方は、伸びしろしかありません!Webライターとしてまだまだ成長できます。
上記のNG例では、H2の見出しで「会社員の副業にはWebライターがおすすめ」と伝えているにも関わらず、おすすめする理由がはっきりと書かれていません。
この文章だけ読んでも「Webライターってそんなにいいんだ!よし、やってみよう!」という気持ちにはなりませんよね?
ここではきちんと「なぜWebライターがおすすめなのか」を述べるべきです。
そもそも、誰もがわかりきっている最初の文章は必要ありません。お金の話をされても「知ってるよ!」と感じてしまいます。
しかし、編集をしていると、NG例のような文章に出会うことが多々あります。わかりきっていることを書いたり、「Webライターがおすすめ」と書いているのに「副業」についての説明が始まってしまったり……。
がっつり削除して、新しく文章を追記することはよくあるパターンです。
ちなみにこの文章をPREP法に当てはめて修正すると、「1:読者が理解しやすくなる」で紹介した文章が使えます。
OK例
H2:会社員の副業にはWebライターがおすすめ
(結論)収入面での不満があり、副業を始めたいと考えている方にWebライターはおすすめです。
(理由)自分で仕事量を調整できるため、本業とのバランスを考えて無理なく両立できます。努力すれば、3か月で月3~5万円ほど稼げるようになるでしょう。
(具体例)月5万円稼げれば、1年間で60万円の収入です。副業でそれ以上稼ぐ方も多くいます。
(結論)本業で昇進するよりも、Webライターで収入を得るほうが簡単です。収入面での悩みがある方に最適な副業だといえます。
「自分にもできるかもしれない」「Webライターに挑戦してみようかな?」という気持ちになるのではないでしょうか?
3:文章が作りやすくなる
伝えることが苦手な方でも、PREP法に当てはめると文章が組み立てやすくなります。
- 結論:○○は~~です。
- 理由:なぜなら、~~だから。
- 具体例:例えば△△のとき……でした。
- 結論:だから、○○は~~です。
見出しに対しての回答をPREP法の流れに当てはめればOK。自分の考えを整理しながら伝える力が身につきます。
PREP法はメールや会話でも役立つテクニック
PREP法は、メールや会話、資料作りなど、さまざまな場面で活用できます。
日常生活に取り入れることで、Webライターとしても自然に使えるようになるでしょう。
1:メールの質を高めて信頼度を上げよう
わかりやすいメールを作成するうえで、PREP法は超役立つテクニックです。
Webライターとしてのやり取りだけでなく、本業でメールを送るときにも役立ちます。
特にWebライターがメールでやり取るする場合は、クライアントやディレクターの負担をいかに減らせるかが大切です。
例えば、明らかに不自然な部分をWebライター側の判断で修正した場合、クライアントへの伝え方によって印象が変わります。
以下のように、ざっくり伝えるのはNGです。
NG例
お疲れさまです。
キーワード「○○」の記事ですが、最初の見出しを少し変更しました。ご確認ください。
「なんで変更したの?」「それは適切な判断なの?」と、クライアントが悩んでしまうかもしれません。
もしくは「自分勝手なライターだ」と思われてしまう可能性もあるでしょう。
執筆に慣れてくると、Webライター側で違和感に気づいて修正することは多々あります。なぜ修正したのかを、相手にわかりやすく伝えることが大切です。
OK例
(結論)お疲れさまです。キーワード「○○」の記事ですが、最初の見出しを「収入」から「年収」に変更しました。
(理由)構成案には、サジェストキーワードとして「年収」を含めると記載があったため、誤りではないかと思ったからです。
(具体例)実際に上位表示されている記事も「年収」で書かれているものがほとんどでした。
(結論)変更点はコメントにも記載していますので、ご確認ください。
修正した理由が明確であれば、クライアントの心配がなくなり、確認する手間が省けます。
また、できる限り少ないやり取りで問題が解決できるように、聞き方を工夫することも大切です。
ここでは、仕事上で対応に悩んだときのメールを例に、NG例から見てみましょう。
NG例
お世話になっております。
記事内で紹介する予定だったA商品ですが、すでに販売が終了しているようです。どうすればよいでしょうか?
実はこれ、私がWebライター初心者のときにクライアントに送ったメールです。完全に相手に意見を委ねていて、自分のことしか考えていません。(当時は本当に失礼しました……)
メールの内容として間違いではないのですが、これだとクライアントに負担がかかってしまいますね。忙しい場合はすぐに調べて対応できず、後回しにされる可能性もあります。
「このWebライターの対応は助かるな」「積極的に仕事をしてくれる人だな」と信頼されるためには、相手の負担を減らす工夫が必要です。
以下のように、相手が時間をかけずに回答しやすい文章を心がけましょう。
OK例
お世話になっております。現在執筆しているキーワード「○○」の記事で確認があります。
記事内で紹介する予定だったA商品ですが、すでに販売が終了しているようです。以下のどちらかで対応すべきかと思うのですが、いかがでしょうか?
①A商品を削除して紹介する商品を5選→4選にする
②A商品の代わりになる商品を紹介する(以下が価格帯の近い類似商品です)
・S商品:https://~~
・H商品:https://~~
上記以外の対応が必要な場合はお知らせください。ご確認のほど、よろしくお願いいたします。
①と②の案を出すことで、クライアントは「②でS商品の紹介をお願いします」と回答しやすくなります。
また、クライアントはさまざまな案件やWebライターを抱えていることが多く、すべての内容を把握しきれていないかもしれません。
代わりとなる類似商品などをピックアップしておけば、わざわざ時間をかけて確認する負担を減らせます。
2:会話で自分の意見を伝えてみよう
- 結局どういうこと?
- つまり、○○って言いたいの?
- 無駄な話が多すぎる……
会話をしていて上記のようなことを言われがちな方は、ぜひPREP法を意識してみましょう。
「まずは結論、次に理由を話す」という部分を意識するだけでも、会話の質がグッと変わります。
仕事で自分の意見を述べるとき、営業で相手を説得させたいときなど、相手にきちんと理解してほしいときに役立つテクニックです。
ただし、相手の感情に訴えかけるようなスピーチや、長文で説明しなければならないときにPREP法は向きません。
説得力を上げて相手を納得させたい場面で使えるようにしましょう。
ちなみに私は、仕事で指導者として作業を教えるときなどによく使っていました。
例
(結論)○○の作業をやるときは、必ず道具の状態をチェックしてから始めてください。
(理由)よくない状態のまま使うと、製品がガタガタになってしまう恐れがあります。
(具体例)ガタガタの状態になると修正が大変です。修正できない場合は不良品扱いになります。
(結論)道具の状態をチェックして、問題があったら別の道具に切り替えてください。
仕事を覚えるのが苦手な人に結構効果があったので、ぜひ日々の会話でもPREP法を取り入れてみてください。